シマノ自転車博物館とサンツアー -堺市より愛をこめて-

  「自転車博物館サイクルセンター」というシマノが運営する博物館が大仙古墳近くにありましたが、この度、「シマノ自転車博物館」に名前を変え、大阪府堺市堺区南向陽町2-2-1に移転・再オープンすることになりました。2022年3月25日からだそうです。

 我々は、大仙古墳近くのときに訪れたことがあるのですが、マニア心をくすぐるネクサーヴDi2の実車展示があったり、また古今東西の自転車が集めて展示されているなど非常に魅力的な博物館でした。一方で、選手等の名車に関しては、地下1階に雑然と押し込まれているせいで一部の自転車しかよく見えないという状態で少し残念でした。今回の移転で、展示が良くなっていると思いますので、我々も再訪したいと考えております。

 ところで、大阪府堺市南向陽町という地名に引っかかりを覚えたメンバーがおりました。彼は大変なマニアで、ある自転車カタログで似たような住所を見たというのです。

それが、サンツアー(脚注1)の補修部品カタログに付属する、ハガキ注文書の住所でした。



 これによれば、サンツアーの補修部品はサンツアーの中心的な企業であったマエダ工業の大阪府堺市南向陽町2-1-16に問い合わせる事になっていたようです。


 微妙に違う地名でした。現在の大阪府堺市南向陽町2-1-16に相当する区画は駐車場になっているようでした。ところが、我々は昔の地図と照らし合わせて、ある結論を得ました。昔の南向陽町2-1-16は、今の南向陽町2-2-1を含むもっと大きな区画だったのです。つまり、昔の南向陽町2-1-16が分割されて、現在の南向陽町2-1-16と南向陽町2-2-1になっています。


 このようにサンツアーの中心的立場であったマエダ工業の工場跡地の一部に、シマノ自転車博物館が移転しているということが確認できました。新しい「シマノ自転車博物館」を訪れる機会があれば、ぜひサンツアーにも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


(脚注1)

■一般人の認識

シマノ:みんなつかってる かんぱぐにょーろ:おしゃれ スラム:Fxxkin SRAAAAAAM サンツアー:大阪・堺のフリーホイール工場で自転車工業の未来をスポーツ車に夢みたマエダ工業が、国内の複数自転車部品メーカーとタッグを組んでリリースした自転車コンポーネントブランド。中には、ペダルの三ヶ島ペダル、ブレーキのヨシガイ、クランクのスギノなど名だたる自転車部品メーカーが揃っていた。 特筆すべきは外装変速機で夢を追い続けたマエダ工業の発明スラントパンタが挙げられる。その決定的な構造を持つ変速機たちは日本の自転車部品の良さを世界に知らしめた。パテントが切れたあとは世界中の会社が真似する大変優れた特許であった。また、世界で最初にマウンテンバイク向けリアディレーラーを発売したのもサンツアーである。サンツアーが発売したマウンテックは、世界で最初に量産されたマウンテンバイクであるスペシャライズド・スタンプジャンパー(初代)に採用された。




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